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子どもに楽をさせたいのは親心


でも、そんなに楽をさせてよいのでしょうか

 昔、まだ人類の貧富の差が著しく激しかった頃、裕福な階層(王族など)の子供たちは、それなりに自分を厳しく鍛えることを要求されていました。それは、自分たちの特別な地位を守るために、ある水準以上の能力が必要だからです。ですから、その豊かな生活に甘んじて、遊び呆けることは、ゆるされなかったのです。もし、そのようなことをすれば、その地位を瞬く間に失うことは、歴史が証明しています。

 今の日本の社会は、考えようによっては、日本人のほとんどが、王族といってもよいくらいです。きちんとしたつくりの家に住み、一日3回の食事を、自分の好みに合わせて取ることができ、ほとんどの家庭に専用の車があるのです。この生活は、150年もさかのぼれば、まさに夢のような暮らしといってもよいでしょう。

 そんな中で、現在の親は、我が子に、昔の親では出来なかったことが出来るようになりました。子供が食べたいと思うものを食べさせ、着たいと思う服を着させ、遊びたいと欲しがるおもちゃを与えることが可能になったのです。

 そして、勉強についても、楽な方へ楽な方へと子供たちが要求するままに、ぬるま湯のような環境を与えています。本来は、周りの環境に合わせて自分を高めていくのが、人間のあるべき生き方なのではないでしょうか。

 こうして、子供たちをどんどん楽にして、それで本当に子供たちは幸せになれるのでしょうか。楽しいことばかりして、いつの日か頑張り始める時がくるのでしょうか。

2004/11/07

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