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天才の発言をどう受け止めるか。


 今回(2008年10月)のノーベル賞の受賞者の方で、益川先生という理論物理学の先生がいらっしゃいます。その先生が、ノーベル賞を受賞されたことで、テレビなどでの発言の機会が増えています。

 そこまでは普通のことで何でもないのですが、その益川先生の発言内容に、私は顔をしかめざるを得ないことが多々あります。結論から言えば、天才に通用することを、あたかも全ての人に通用するように話してほしくないということです。

 益川先生の発言で、特に、公共の電波にのせてほしくなかったのは、「私は、典型的なながら族です。」という言葉です。益川先生御自身は、テレビやラジオがついていないと集中出来ないとおっしゃっています。おそらく、にぎやかな楽しい雰囲気が好きな先生なのだと思います。私も、にぎやかなことが好きなので、そのお気持ちはよく分かります。

 ですが、普通の人は、にぎやかな環境におかれて勉強に集中出来るほど集中力が高いわけではありません。有名なキューリー婦人は、図書室で本を読んでいるときに、級友たちが、うずたかく積み上げた机をひっくり返しても気付かなかったというほど集中出来る人だったようですが、おそらく益川先生も、キューリー夫人と同レベルの集中力を持っているに違いありません。

 今回の益川先生の発言を聞いた小・中学生が、テレビを見ながら勉強してもノーベル賞を取れるほどの高い学力が身につくと短絡的に受け止めてしまうことが心配です。また、益川先生は、大の英語嫌いで、英語をほとんど勉強しなかったことも公にしています。これについては、事実が報道されているだけですので仕方がないとも思いますが、やはり、そのようなことが広く喧伝されることも、とても残念に思います。

 益川先生は、大学院の試験の時に、ドイツ語はほぼ0点、英語も前代未聞の低得点だったようです。その時の教授会でも、そのような点数の益川先生を合格させるかどうか悩んだということです。結果として、ノーベル賞を受賞されるほどの仕事をされたわけですから、益川先生を合格にして正解だったわけですが、これも天才ならではの逸話だと思います。

 なぜなら、その記事では言及されていませんでしたが、おそらく、数学と物理のテストに関しては、英語やドイツ語とは違い、恐るべき高得点を取っているに違いないからです。たぶん天才であったからこそ到達出来るレベルの解答をされていたのではないでしょうか。つまり、益川先生が天才であったからこそ、大学院に進学して、研究を続けることが出来たということです。

 ここまでのことは、私がほんの少しテレビの報道や新聞の記事を見て知りえた知識のみで書いていますので、実際の益川先生の真意からは、ずれているかもしれません。しかし、私と同様に、テレビを断片的に見た小・中学生が、同様な誤解をする可能性は少なからずあると思います。

 この文章を読んでいただいたお母さん方は、天才の論理は天才にのみ通用するもので、普通の子である我が子には、普通の子に適した学習方法があることを知っておいて下さい。ひょっとすると、お母さん方にとっては、我が子を普通の子と思うことはつらいことかもしれませんが、私は、普通の子が、きちんと努力して立派な大人になること以上に幸せなことはないと信じています^^。

 (念のため、もし、お子さんが本物の天才であれば、益川先生の学習方法を踏襲しても、良い結果が得られるでしょうし、当サイトがお勧めしている学習方法は役に立たないと思います^^;。)

2008/10/10

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