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テスト前しか勉強しないのですが?


一夜漬けでも、しないよりはましと考えていませんか。

 テスト前になると、あわてて勉強をし始める子供たちを見て、どう思われるでしょうか。確かに、テストが近づいても全く勉強しないのは困りますが、テスト前だけしかしない一夜漬けには、実は大きなマイナス面があります。

 それは、一夜漬け学習の原動力は、テストで悪い結果を出したら怒られる、お小遣いを減らされる、かっこ悪いという「不安」「恐れ」「羞恥心」などのネガティブな心が生み出すものだからです。その証拠に、テストが終わった瞬間に、それまでの熱意はどこに消えたのかと思うほど、全く勉強しなくなります。

 ですから、私は冗談半分で「勉強したい病」と勝手に名付けています。なぜなら、一夜漬け学習しか出来ない子の体の中に「テストという名前の病原菌」が入ると、無我夢中で勉強をし始めますが、「病原菌」が体から出ていった瞬間にケロッと治るからです。

 それでも、お母さん方は勉強しないよりましだと思われるかもしれませんが、具体的には以下のような悪影響があります。

 まず、一夜漬け学習は、実力テストで通用しません。子供たちは、一夜漬けで頑張って良い結果が出ると、直前に頑張って良かったと思いますが、実は単なる変動幅の内であることがほとんどです。たかだか2週間程度の頑張りで、実力テストのような範囲の広いテストの結果をきちんと上げることが可能なら、2ヵ月程度頑張れば、多くの生徒が、希望校の合格ラインを楽々超えてしまうのではないでしょうか。

 でも、現実にはそのようなことは起こりません。ですが、一夜漬けだけで中学校生活を送ってきた子は、一夜漬けが通用すると錯覚して同じ行動を取り続けます。また、範囲の広いテストで、一夜漬けをしても、学習内容の上面だけをなでる学習になるので、深みのある学習は出来ません。実力テストの結果を上げたければ、日頃からこつこつと頑張るしかないと思います。

 次に、一夜漬け学習しかしない子は、テスト前にとてつもない集中力を発揮して頑張りますが、学習期間が短いので、1日の学習量と日数をかけ算してみると、日頃からこつこつと勉強している子より、大幅に少ない学習量になります。一夜漬け学習は、勉強の空白期間を長くしてしまうという大きな欠点があります。

 最後に、一夜漬けの勉強はネガティブな感情に引きずられての勉強なので、勉強の楽しい側面を感じることが出来なくなるという大きなデメリットがあります。子供たちにとって、新しい知識を吸収したり、新しい技能が身に付くことは、本来、楽しいことであるはずですが、「不安」や「羞恥心」にかられての勉強では、そのような心のゆとりは持てなくなります。

 一夜漬けをやめさせて日頃から頑張らせるには、まず、以上のことをお母さんが、しっかり理解することが大切です。なぜなら一夜漬けを頑張る子は、親や周りの目を気にする子が多いからです。つまり、一夜漬けをしたくなる環境を周りが作っているということです。テスト結果を見て、一喜一憂することなく、日頃からこつこつと努力出来ることが、何よりも素晴らしいことだと子供たちに伝えていくしかないと思います。

2005/02/16

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