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侵略者の野望
(SF調ですが、多くのお母さんに考えてもらいたい内容です。)


 宇宙からの侵略者が地球を観察して、一番豊かな地域から滅亡させることにしました。そこで、日本という国が最初のターゲットとなりました。

 最初に日本に送られたのは、テレビダーという怪獣でした。テレビダーは、テレビ局に侵入すると面白いテレビ番組を大量に作り始めました。テレビダーの作った番組は、あまりに面白いので子供たちはテレビを見る時間をどんどん長くしていきました。テレビダーの攻撃は大成功です。子供たちが勉強する時間はどんどん減っていきました。

 テレビダーの攻撃はそれだけではありません。テレビの中で活躍するヒーローは、勉強が出来ない役にしました。そして、勉強のよく出来る登場人物を悪役にしました。その攻撃も大成功です。子供たちは、全員がヒーローになりたがり、学校では一生懸命に勉強嫌いの役を演じるようになりました。

 次に日本に送られたのは、アニメジャーという宇宙ロボットでした。アニメジャーの攻撃は、さらに巧妙でした。内蔵している高性能コンピューターで高精度な映像をつくり、現実と非現実の区別がつかないようにしました。そのため、子供たちは死んだ人がすぐに生き返るかのように錯覚しました。そうして洗脳された子ども達は簡単に暴力をふるうようになりました。

 アニメジャーは、時には、現実よりも魅力的な非現実の映像を作り出しました。そして脳内恋愛の方が、現実の恋愛のように面倒くさくなく楽しいものだと思わせることに成功しました。その結果、若者たちの生殖能力を奪うことにも成功しました。

 日本侵略まで、あと一歩というところまで来たところで、宇宙人は自ら日本に乗り込んできました。その宇宙人はゲーム星人と呼ばれています。日本侵略の最後の仕上げは、ゲーム星人の得意なゲーム攻撃です。

 ゲーム星人は、指先をほんの少し動かすだけで、大きな快感を得ることが出来るゲームを大量生産し始めました。ほんの少しの苦労でゲームに勝つ経験を重ねた子供たちは、大きな苦労を嫌うようになりました。そのおかげで大人たちも、ほんの少し頑張っただけで子供たちをホメるようになりました。「努力」という言葉の意味が、「ちょっとだけ頑張ること」と同じ意味になったので、一生懸命頑張る子がいなくなりました。

 ゲーム星人は攻撃の手をゆるめることなく、さらに強力な攻撃に出ました。子供たちが、ほんの少しの努力すら出来ないようにするために、努力をしなくてもゲームに勝てる「攻略本」という道具を子供たちに与えました。加えて、どんなに強い相手にも簡単に勝てる強力な武器(アイテム)も、お金さえ出せば手に入るようにしました。

 このようにして、努力をすることなくゲームに勝つことが出来る体験を、子供たちに繰り返し積ませることで、日本の子供たちは辛抱と努力が出来なくなりました。

日本の運命はどうなるのでしょうか。
本当のヒーローさん、早く助けて下さい。



番外編

<<侵略者へのインタビュー>>

〇なぜ、このような方法で地球を侵略しようとしているのですか?

 直接宇宙船で地球に乗り込めば、一斉に強力な抵抗が起こり、たとえ非力な地球人相手といえども、我々がダメージを受けるかもしれないが、この方法であれば、我々は一切傷つかず、エネルギーの無駄遣いもない。本当に怖い敵は、相手に敵と悟られないように振舞うものだ。

〇いいテレビ番組や勉強に役立つゲームもあるようですが?

 一部の地球人が、そのような努力もしているようだが、我々の方が、強力に子供たちの心をつかんでいる。たとえ入り口が学習用ソフトであっても、すぐに我々の作った面白いゲームソフトに夢中になるだろう。

〇この作戦の進行度は、どのくらいですか?

 ほぼ完了している。「ゆとり教育」という我々の侵略に好都合な教育政策のおかげで、計画よりも10年早く進んだ。後は、子供たちが大きくなるのを待つだけだ。



終りに

 今の日本が、日本を滅ぼそうとしている侵略者の攻撃にさらされていると考えると、1秒たりとも、この状況に甘んじているわけにはいかないのではないでしょうか。冷静に客観的に日本の子供たちの現状を考えると、子供たちが、とても恐ろしい環境に置かれていることがわかると思います。

2010/12/03

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